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協働する技術

STM32による並列オセロAI (2023)

マイコンによる並列オセロAIです。STM32F401REを搭載したボードとマトリクスLEDをセットにしたものを15台接続して、協力してオセロの最終21マス空きを完全読みします。

本作品は並列計算を行う計算機を人間の社会に見立てた作品です。

STM32ボード提供: STMicroelectronics 中村 良明様

作品キャプション

技術というものは、良くも悪くも、大いに役に立ちます。私は今、そんな技術を自分自身がどう扱うべきか、わかっていません。そもそも、私にとってものづくりは単なる遊びでした。今もそうです。しかし、その遊びは気づかぬ間に、わかりやすく「役に立つ」ものとなっていました。こうなってくると、単なる遊びとは言え、だんだんと自分のものづくりが他人や自分に与える影響について考えるようになります。

社会において、人は一つの仕事を複数の人に分担して行います。大きな仕事を、多くの人で行う。一人の人間では、あまり大きな仕事を完遂できない。実は、計算機においてもこの考えは同じです。年々計算機の性能は向上していますが、それにも限界があります。ですから、計算機を複数使って、うまく仕事を分割することで高速化するのです。

さて、私は協働する技術をうまく身に着けて生きていくのか。それで私自身が納得するのか。技術、ものづくりに対して、もっと違う向き合い方をしていくのか。協働する技術を見て、改めて今、考えています。

写真: 公益財団法人クマ財団